BOKUCRA - ぼくたちが心斎橋をクラフトする件について。地域資源研究プロジェクトin心斎橋

心斎橋のシンボルである歴史的建造物を
その記憶とともにMinecraftで復元することで、
新たな地域資源の魅力を未来へ継承します。

本プロジェクトは、東京大学の教員・研究員による共同研究プロジェクトとして、オンラインものづくりゲームのMinecraft(マインクラフト)に関心のある高校生とともに放課後活動を立ち上げ、地域と連携した新しい制作拠点開発を行っています。
通信制のN高等学校(心斎橋キャンパス、代々木キャンパス)と、大丸大阪・心斎橋店の協力のもと、心斎橋地域のシンボルである「大丸心斎橋店本館」の建替え前の姿をその記憶とともにマイクラで復元し、バーチャルとリアルを結んだ新たな地域資源の魅力を未来へ継承します。

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全世界で1億5000万本以上を売り上げる人気ゲームMinecraft(マインクラフト)。仮想空間でブロックを採掘したり積み上げたりしながら、ユーザーが自分の目的を決めて遊んでいくサンドボックス型のものづくりゲームです。
本プロジェクトでは、通信制のN高等学校(心斎橋キャンパス、代々木キャンパス)の協力のもと、マインクラフトに関心のある高校生を募集しました。そして、2018年のはじめに、心斎橋キャンパスの近隣にあり建替え中の「大丸心斎橋店本館」をマイクラで復元する放課後活動を立ち上げました。参加する高校生には、以下のような学びを提供することを目的としています。

  • ゲーム(関心のあること、身近なテクノロジー)を活かして地域に関わる
  • チームで協力し合う、実社会と協働する
  • 実空間では建替えを余儀なくされた建物の記憶を、バーチャルで保存・継承する

活動の題材としてただ「大丸心斎橋店本館」を復元するだけでなく、株式会社大丸大阪・心斎橋店の協力のもと、建物の歴史を知るレクチャーや図面・写真資料の提供を受けるなどさまざまな連携を行いながら、バーチャルとリアルが融合した新しい地域資源研究を行います。
その先には、地域の建築ストックを教育的に活用し、バーチャルとリアルの両方の利点を取り入れ、まちと若者のゆるやかな関係を構築するまちづくりを提案します。

スケジュール

2018年1月〜3月には、N高等学校でプレ活動を実施しました(N高ブログニュース)。
同年4月からは、代表・副代表をはじめとした高校生が自主的に活動を運営し、毎週月曜日(祝日は振替え日)の放課後に大阪・心斎橋キャンパスと東京・代々木キャンパスをオンライン会議システムでつないで制作を進めています。
建替え中の「大丸心斎橋店本館」が新たに開業する、2019年秋の成果公開を目指しています。

  • 2018年1月〜3月
    プレ活動

    2018年4月〜
    現体制で活動開始

  • 2019年4月6日(土)
    内部お披露目会

  • 2019年秋
    公開発表会

「大丸心斎橋店本館」の建物について

「大丸心斎橋店本館」は、アメリカ合衆国で生まれ、日本で活躍した建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880年-1964年)の代表作の一つです。大正末期より心斎橋筋側から段階的に設計され、昭和8年(1933年)に御堂筋側も含めた全体が竣工しました。

アールデコやネオ・ゴシック様式等を織り交ぜた華やかな外観・内装は、建物を訪れる人々の記憶に残り、愛されてきました。かつて御堂筋側の7階にあった和・洋レストラン、心斎橋筋側の大階段や吹き抜けなど、戦時中に失われてしまった箇所もありますが、その華麗な姿は図面や写真資料の中に残されています。

全体の竣工から80年以上を経て、多くの人々に惜しまれながらも建替えを余儀なくされた「大丸心斎橋店本館」は、御堂筋側の外壁等を保存しつつ、2019年秋に新たな姿に生まれ変わります。本プロジェクトでは、その建替え前の姿を、建物のハード面だけでなく、ソフト面であるさまざまな記憶とともにマインクラフトで復元していくことを目指しています。

制作チームの特色

制作は、設計図班、建築班、動画班の3チームに分かれて行なっています。
N高等学校の新入生の入学時期などに、心斎橋キャンパス、代々木キャンパスで活動するメンバーを募集しています。

設計図班

「大丸心斎橋店本館」に関わる図面や写真資料を収集し、年代による建物の変遷を調べます。
マイクラで実際に建物を建てていくために必要な設計図を、ドット絵のようにしてGoogleスプレッドシートに起こしていきます。

建築班

設計図班と連携して指定のブロック数で試作をし、ブロックの素材(色やテクスチュア)を決めます。
図面や写真資料の他にGoogleストリートビューなどを活用し、建物を構成するパーツや装飾を分担・協力して制作していきます。

動画班

毎回の活動の様子とマイクラ内の制作の様子を動画で撮影・編集して、PVにまとめていきます。
メンバーのインタビューや、マイクラ内記念撮影など、動画班が全体に指示を出して効果的なシーンを撮っていきます。

こんな力を伸ばしたい人・
こんな関心のある人に

  • 情報収集力
  • 批判的な読解力
  • 全体の工程を考える
  • マイクラの外側から制作を支える
  • 空間把握能力
  • 造形力
  • 試行錯誤を重ねる
  • コマンドを使う
  • 映像の編集力
  • 表現力
  • メンバーの魅力を見つける
  • 活動の魅力を伝える

チームワーク

マイクラを楽しむ

メンバー

(所属は活動参加時のもの)

N高等学校(心斎橋キャンパス)

代表:山本達也  副代表:村上航太

設計図班:浅井涼音  木下凜太郎  白石芙美  栖川萌子  荒木夢人

建築班:薮内温也  下町直輝  中川太郎  清田彩馨  渡辺蒼一郎  津村光  和田陸利  宮崎健志  高野来夏

動画班:熊田千怜  奈良垣晴信  鍵田海音  大森優羽

サーバー管理:前野伸太朗

N高等学校(代々木キャンパス)

建築班:山田友朗  金子拓磨  市川佳吾  高田優哉  満足風人

建築史:嶋津尚志

サポート(心斎橋キャンパス)

川那辺香乃(NPO法人子どもとアーティストの出会い、BRDG(ブリッジ))
山手健人(大阪音楽大学音楽学部音楽学科ミュージックコミュニケーション専攻生)
梅山晃佑(コワーキングスペース往来)

サポート(代々木キャンパス)

穴水宏明(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程)
大池倫正(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程)
石橋尭之(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程)
丁 春雨(東京大学生産技術研究所研究生)

主催・協力

  • 田口純子

         

    東京大学大学院情報学環助教。専門は建築・都市環境教育。ネットやゲーム、バーチャルな環境と、リアルなまちづくりや歴史的建造物の保全を結び、若者の新しい学びや仕事をつくりだす実践的研究に取り組む。

  • 林憲吾

         

    東京大学生産技術研究所講師。専門は都市史・建築史。アジア各地で近代建築の研究や保全に取り組む。大阪・心斎橋の建物の魅力発見をサポート。

主催:地域資源研究プロジェクトin心斎橋
協力:学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校(心斎橋キャンパス、代々木キャンパス)
協力:株式会社大丸大阪・心斎橋店
資料協力:株式会社一粒社ヴォーリズ建築事務所

お問い合わせ

本プロジェクトに関心がある方、取材依頼、その他ご意見やご質問等がある方はこちらからお問合せください。

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本プロジェクトは、セコム科学技術振興財団挑戦的研究助成およびJSPS科研費JP17K18613、20H04468の交付を受けて行っています。

本プロジェクトは、まちに若者の新しい活動拠点をつくり、地域の建物や街並みなどの魅力を発掘・再評価することを目指した地域資源研究プロジェクトであり、
企業の宣伝・広報を目的としたものではありません。また、そのための企業の予算・計画等もございません。